2012年2月11日土曜日

ごあいさつ




 ごあいさつ               

大山村塾塾長 高野孟 

私が安房鴨川の山中、大山地区の金束に移り住んで5年が経とうとしています。
元はと言えば、学生時代からの友である故・藤本敏夫に誘われて、二十年近くも前になり ますが、
鴨川自然王国を訪れて、この地の里山風景の美しさに驚き、またその裏側で進む 森林や田畑の荒廃にもう一度驚いて、放っておけない気分になったのが始まりです。

それ から毎月のように通って田植え・稲刈りや畑仕事や森林伐採をするようになって、
藤本と は、「俺も還暦を過ぎたらここへ引っ越してくるから」と約束していました。
そうなる前 に彼は亡くなってしまい、しかし約束は約束ですから、大山不動尊の北麓の荒れ果てた山 林を求めて一年がかりで藪を伐採して家を建て、家内共々、鴨川の住人となったわけで す。

私は今の田舎暮らしを「半農牧半電脳」と定義しています。
ジャーナリストとしての仕事 は出来るだけネット経由で済ますようにして、
テレビ・ラジオ等の出演や大学の授業や地 方での講演や、どうしても出て行かなければならない時だけ東京には出ますが、後はここ にいて、田畑の世話や草刈りや芝刈りや薪割りや道路整備や、その他ありとあらゆる田舎 暮らしの作業メニューに追われて過ごしています。
あ、「牧」が付いているのは、いずれ この地で馬を飼って、馬で近所の居酒屋に行きたいという願望のためです。

そういう中で、地元の方々とも、また最近急増している都会からの移住者の方々とも交流 が広がって、
楽しい毎日を過ごさせて頂いていますが、近頃、とくに東日本大震災以降、 単にそうやっていろいろなお付き合いを個人的に楽しませて貰っているだけでは申し訳な く、私の持っているささやかな経験や識見や内外の人脈を活かして、
この大山地区のみな らず鴨川市や南房総「安房国」を元気にするための一つの形を作って、次の世代に遺すべ きものを遺していきたいと思うようになりました。

ちょうどそのような時に、地元ネイティブや移住者の方々から「地域再生のための『塾』 を始めたいので、塾長となって働け」とのご提案があり、間もなく古希という老骨に鞭 打って、もう一働きしようと決意するに至りました。
大山村塾は、当面、二ヶ月に一回、地域再生を中心テーマとして、私が若い皆さんの意見 も聞きながら企画を立てて友人・知人から講師を選んで連れてきて、
第一部ではその方の 講義と討論、第二部では私がその時々のテーマを選んで時事放談をするというのを基本パ ターンとして、時には時宜にかなった映画の上映や音楽の演奏なども交えて、面白おかし く展開していきたいと考えています。

私がこの構想をちょっと話しただけで、東京在住の若い衆の中にも「高野さんがそれをや るなら私は行きます」という者がいたりします。地元だけでなく、南房総、いや南だけで なく広く房総でこの世の中を何とかしたいと思っている皆さんが参加して下さることを望 みます。

よろしくお願いします。

2 件のコメント:

  1. 高野さん、大山村塾のみなさん、こんばんは。藤野電力の小田嶋でございます。先日はどうもありがとうございました。大山村塾、このような成り立ちだったのですね。遅ればせながら強く共感いたしました。何ということでもございませんが、堪らずご挨拶させていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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  2. 小田嶋さま
    こちらこそ、先日の太陽光ワークショップ、ありがとうございました。
    非常に興味深く、今後もぜひ広めていきたいと感じました。
    大山村塾も、これからも活動をつづけ、様々な展開の母体となりうるよう努めていきます。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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